日産キックス レビュー(後編)
carblog-Zの「まゆげ ふとし」と申します。
主に車に関する記事を書いています。もし気に入っていただければ、今後とも記事を見ていただければ幸いです。
今回は、(P15系)日産キックスのレビューをしていきたいと思います!
前編では、全体的な印象や特徴、そして今回の後編では、特に良い点、特に悪い点、最終評価という構成で書いていこうと思います。(前編はこちらから)
日産キックスレビュー(後編)
特に良い部分
・走行性能
キックスの最大の武器だが、走りの面に関しては文句なしである。
前編で走りに関する部分をちょっと少なめに書いたのは後編で書きたかったから。
さすがは、日産のe-powerといったところか。そもそもe-powerとは、ガソリンを燃料にエンジンが発電機を回して充電を開始、その溜めた電気で走るのである。つまり、実質電気自動車と大して変わりがないため、レスポンスも非常に良く、加速も良い。思った以上にこの車、楽しい。過去にe-powerの車に乗った経験がある方はご存じだろうが、この車にも勿論、回生ブレーキが存在する。回生ブレーキというのは、エンジンブレーキのハイブリッド車や電気自動車Ver.だと思っていただければ十分である。この回生ブレーキを使う際は、SモードかECOモードに切り替える訳だが、初代ノートe-powerやセレナe-powerのように効き過ぎて扱いにくく、慣れるのに時間が必要ということはなく、すぐに慣れるような味付けになっている。いわゆるワンペダル走行というのがより快適に行えるようになった。
・ルームミラー
次にこの車の特に良いところは、ルームミラーである。
オプションとはなるが、このルームミラーは絶対付けるべきである。ルームミラーはいわゆるフレームレスとでもいうのだろうか、枠の部分がないため端から端まで全面鏡となっており、ミラー自体の面積も大きくなる。これだけではない。もっと良い部分がある。このミラー、切り替えることができるのだが、びっくりするほど画質が良いのである。レバーを引くと、モニターに切り替わり、いろんな角度から後方が見える。夜でも画質の良さは変わらず、キックスの弱点でもある後方視界を補うことができる。おそらくキックスに限らず、最近の日産のルームミラーの性能はメルセデスやレクサス以上と言っても過言ではない。
・ブレーキ
3つめは、ブレーキである。
というのも、前後ともにディスクブレーキであり、流石に値段が張ることはある。
300万円前後の車で「前後ディスクブレーキの車なんか他にいくらでもおるわ」という反論もあるだろう。しかし、その値段でも後輪をドラムブレーキにすることは頻繁にあることなので、ここはいいところと言って良い。ただ、レンタカーをぞんざいに扱うわけにはいかないので、やむを得ない状況にもならず、急ブレーキをすることは叶わなかった(申し訳ないのです)。もっとも、ワンペダル走行が快適にできるので、フットブレーキをそんなに使うこと自体なかったが。
・トランク容量
4つめのいいところ。キックスのトランク容量は、423L。これは、コンパクトSUVの中ではトップクラスの大きさを誇る。コンパクトSUVは、いまや激戦区となっているが、これ以上ない強みである。
特に悪い部分
・電子シフト
キックスの1番悪い部分は電子シフトである。
何が悪いって、そう…あのプリウスの悪夢の再来である。
見た瞬間泡吹いて倒れそうになった。
帰巣本能のあるあの電子シフト。
ちなみに、パーキングブレーキは電動(ハンドブレーキに慣れてると煮え切らない)。
髪の毛1本分だけマシなのは、DレンジにB(ブレーキ)が一緒にいるため、駐車時などに間違えてD方向にしてもブレーキがかかるので、ミサイル化する可能性は低いこと。
だが、このシフトの時点でわかりにくいからマイナスポイント。
・後部座席
さて2つめ。これは前編で申し上げていた後部座席の部分についてである。
じゃあ何が悪いのか。足を置く部分が壊滅的にないのである。
左右の座席の足下部分には障害物があるため、内側にしか足を置くことができない(赤で描いている部分が障害となり、足場の空間が狭まっている)。そして、真ん中の座席のセンタートンネルがやたら高いし、広い。いくら20~30代の独身向けと言っても人を乗せる機会は少なからずあろう。だが、これじゃあ窮屈極まりない。そして追い打ちを掛けるように悪いのは、前席のシートレールが結構出ている。これによって足下空間の面積は狭くなるし、結構鋭いから怪我をする可能性がある。これはよくない。
・トランク
そして3つめの悪いところ。良いところでも述べた通り、キックスのトランクは、423Lと他のコンパクトSUVに比べてもトップクラスの大きさを誇る。素晴らしいことなのに、それのどこが悪いのか。タイヤハウスが邪魔してそれだけで収納スペースが小さくなっているのである。せっかくの強みをここで潰してしまい、悪いところとして紹介。
また、こちらも追い打ちをかけるように更に悪い部分がある。後部座席を倒すと、段差ができること。これもこだわりがある人は許せない欠点となるだろう。更に更に後部座席を倒した後、戻すのも一苦労する。めっっちゃ重い。女性はヒーヒー言うことになるかもしれない。
・4WDが存在しない
まだまだ続く、4つめ。
街乗り重視とはいえ、SUV。そのくせして4WD設定がなく、FF設定しか存在しない。
特に寒冷地に住まわれている方からしたら、この時点で既に候補から外されるだろう。せっかく他のコンパクトSUVに比べても車高も高いのに、もったいない。
・ナビとETCがオプション
5つめ。この車のナビはオプション、そこからETCを付けようと思うと、30万円以上追加で支払わなくてはならなくなる。
しかも、ナビの性能も悪いとは言わないが、最先端のものというわけでもない。ナビは今の時代必需品、それを付けて序盤でも紹介したルームミラーを取り付けると新車で購入する場合、込み込みで350万円程度になる。やっぱりどうしても値段が張るのが鬼門となる。
・肘掛け
最後。
肘掛けがやたら後ろにあるうえ、下の方にあるため、運転中に使うことはほぼ無理なよう。前にドリンクホルダーを設置した結果、こうなったのだろう。これでは、何のための肘掛けなんやら。何しに来たんだよ、お前。
最終評価
さて、最終評価ですが、オススメ度は10点中5点。
特にオススメできる人は、車が好きな人で、運転に楽しさを追求するならオススメ度は7点くらいになり、候補に入れても良いでしょう。ですが、車に興味がなく、運転に楽しさを求めないならオススメ度は3点、回避すべきです。平均して5点といったところ。
やはり、どうしても欠点が多く、その割に高額なため、ためらいがちになるところではあるでしょう。しかし、欠点だけで終わる車でもなく、最初に述べた通り、悪路以外の走行性能はコンパクトSUVのなかでは間違いなくダントツでピカイチ。くどいが、トランク容量もコンパクトSUVトップクラス。それを考慮すれば、十分に購入を検討してもよい車となるでしょう。
後編は以上となります。前編では、全体的な特徴や印象をレビューしていますので、そちらの方も見ていただければ幸いです。(前編はこちらから)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
また、次回お会いしましょう。